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TPPに関して、ここにきてバタバタと医療分野についての新情報が政府から出てきている。一昨日の7日は、実は混合診療の全面解禁問題がTPPで俎上に乗っているというニュースを聞いて「やっぱり!」と思っていたら、昨日は「 TPP交渉で、米国が医薬品分野の規制改革を重点要求していることが、8日までに外務省が民主党に提示した文書で分かった。」(47news) という。国民・市民生活に重大な影響を及ぼすことが確実な政策の実体をこの政権は肝心の相手に隠して推進しているのだ。

「 民主党の経済連携プロジェクトチーム(PT)は7日の役員会で、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の交渉参加問題に関し、8日の役員会で政府への提言案を作成し、9日の総会に示す方針を決めた。ただ、役員会おに先立って開かれた7日のPTの総会では、保険診療と保険外診療を併用する「混合診療」の全面解禁がTPPで取り上げられる可能性を政府側が初めて認め、「国民皆保険制度の崩壊」を懸念する慎重派の抵抗が一層強まりそうだ。

 PT総会では、これまでの疑問に回答する文書を政府側が配布。混合診療に関し「議論される可能性は排除されない」と説明したが、「議論されても、国民皆保険制度を維持し、必要な医療を確保する姿勢に変わりない」と慎重派に配慮した。」(毎日新聞11月8日)

政府の「議論されても、国民皆保険制度を維持し、必要な医療を確保する姿勢に変わりない」との言い方は何とも弱々しく頼りなく聞こえる。農業問題と並んで、いやそれ以上に気になってならなかったのがこの「混合診療」の全面解禁問題であった。もしそんなことになれば、いずれ乳幼児の死亡率も、医療を受けられないがための死亡者数も格段に増えることになるだろう。また誰でも知っているとおり病弱のため日常的に通院が欠かせない人も世の中には大勢いる。医療現場では不平等と差別的言動や現象が横行することになるのではないか。これは想像するだに悲惨である。このような話まで出てくるとはちょっと前まで思ってもいなかった。ロシアのボリス・カガリツキーという経済学者は「グローバル化は国家の無力化を意味するのではなく、抑圧的な機能を果たすために国家の社会的機能を拒否すること、国家の側の無責任、民主的自由の終焉を意味する」と書いているそうだが、国家による社会的機能の拒否、国家の無責任、という意味では、野田首相や仙石氏・前原氏ら閣僚のこの問題への対応とピタリ重なるように思えてならない。藤永茂氏のブログによると、

「アメリカでは、保険会社から医療費支払いを断られて死ぬ人が一日平均約百人は居ると考えられています。また、個人の破産の人数では医療保険に加入していないために高額の医療費を支払うことを強いられての破産が最高です。」

アメリカの低所得者層が何よりも切実にオバマ政権に期待していたのは、「「単一支払い者制度(single-payer system)」、つまり日本やカナダや英国の制度に似た医療保険制度の政府一元化」(藤永氏)であった。2006年の一時点でオバマもこの制度新設を支持すると明言していたのに、結局オバマは医薬業界との繋がりの故であろう、実行しなかった。自分を心底から応援、支持してくれる層を裏切ったわけだが、そういう誰の目にも明白な欠陥制度の導入を受け入れなければならない恐れのつよいTPPなどにいったいなぜ日本が加わろうとするのだろう。むしろ日本は医療保険制度に関して米国に制度の欠陥、誤りを指摘してやるべき立場だろうに。これまで政府がこの問題を国民にひた隠しにしてきたのはそれを衝かれるのを恐れてのことではなかったかと思う。あらためて反対派・慎重派の懸念は正しかったということになるだろう。TPP参加を強力に推進する仙石氏の「反対派は反対することを自己目的化している」とか、前原氏の「おばけ」発言などのほうこそ、無責任で不真面目な放言ないしは恫喝だったのだ。これでは反対派から解任を求められるのも当然であろう。

「 日本医師会は、混合診療の容認に反対します!
社会保障を充実させることは、国の社会的使命であることが日本国憲法にも規定されています。国が果たすべき責任を放棄し、お金の有無で健康や生命が左右されるようなことがあっては なりません。
医療は、教育などと同様に「社会的共通資本」であるという考え方を私たちは持っています。
医療が、国民の生命や健康をより高いレベルで守るという公共的使命を強く持つものだからこそ、すべての国民が公平・平等により良い医療を受けられる環境でなければなりません。
健康保険の範囲内の医療では満足できず、さらにお金を払って、もっと違う医療を受けたいというひとは確かにいるかもしれません。しかし、「より良い医療を受けたい」という願いは、「同じ思いを持つほかのひとにも、同様により良い医療が提供されるべきだ」という考えを持つべきです。
混合診療の問題を語るときには、「自分だけが満足したい」という発想ではなく、常に「社会としてどうあるべきか」という視点を持たなければならないと考えます。
混合診療は、このような考え方に真っ向から対立するものだからこそ、私たちは強く反対するのです。」(日本医師会ホームページ)


毎日新聞は昨日の8日、「 正念場の首相 もっと国内でも雄弁に」との社説を載せていた。毎日は朝日や読売などの大手紙と同じく TPP参加に賛成する立場で、社説はそれを前提として野田総理にTPP参加に関する説得的な説明を求めていた。

「 交渉参加に十分な国民的合意がなお得られていないことも事実だ。毎日新聞の世論調査ではTPP参加について最多の39%が「わからない」と回答している。政府から十分な情報と判断材料が提供されていない表れだろう。」

「 十分な情報と判断材料」どころの話ではない 。私たちは一昨日の7日に初めて混合診療全面解禁について知らされたのだ。これは意図的なもので、政府は国民に本当のことを知らせたくないのではないだろうか。知らせると反対者が増えるばかりだから。こういう時、本来ならメディアこそが混合診療のことなど率先して調査取材すべきだったと思うが、政府と一緒になってTPP参加に前のめりになっているのだから、救いがたい。

外部に対する発信が極端に少ない野田総理はTPP参加に関して 「国益のために」と一言ポツンと話していたと思うが、その国益論は、アメリカに気に入ってもらう政策を選ぶこと、とでも考えているのではないのだろうか。恐らくは本心から。ある新聞に「国民は眼中になし」という見出しが出ていたが、これこそ野田総理および閣僚の本音ではないのだろうか。TPP問題のみならず、安全保障問題への対応を考えてみても、どうもそのように思える。メディアも政治家が「国益のため」とさえ口にすれば、それでかなりの部分納得するようだ。 心中は国益という言葉に汚染または呪縛されているのではないかという気がする。毎日はまた、

「 日本の自由貿易圏づくりへの参画は経済発展に不可欠で、交渉参加は農業の基盤強化などにも資すると私たちは考えている。党内調整に全力を挙げるよう、改めて求めたい。 」と述べている。

TPP参加が「経済発展に不可欠」だというのなら、参加後どのような経路を辿って日本国内の経済が発展するというのか、判断の道筋を示してもらいたい。さらに、毎日の社説は、TPP参加は「農業の基盤強化にも資する」と述べている。農業従事者の大多数は、TPP参加が日本国内の農業に壊滅的打撃を与えると判断しているからこそTPP参加に反対しているのだ。そしてその判断は私たち消費者にも納得のいくものだ。毎日はTPP参加が農業の基盤強化に役立つというのなら、どのような方策をとることによってTPP参加と農業の基盤強化が結びつくのかを示すべきである。そうでないと、適当にことばを弄んでいるとしか感じられない。それから、ここで取り上げられている経済発展と農業問題以外のこと、たとえば混合診療の全面解禁の問題についてはどう考えるのか、メディアはそれらをも総合的に考察・勘案して初めて結論を出すべきだったと思うのだが。
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2011.11.09 Wed l 社会・政治一般 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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