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前回の記事では、目取真俊氏のブログ「海鳴りの島」の「NOと言えない政治家たち」からオスプレイ配備に対する野田首相の姿勢を批判した箇所を引用させてもらったが、目取真氏の記事ではこの他に、タイトルから薄々察知できるかと思うが、石原慎太郎東京都知事に対する批判もなされていた。

「…かつて『NOと小さい文字言える日本』を共著で出した政治家がいる。石原慎太郎東京都知事だが、4月に米国ワシントンのヘリテージ財団で、東京都が尖閣諸島を購入する意向であることを発表した。わざわざワシントンで発表する姿には、俺の後ろには米国があるんだぞ、という虎の威を借る狐ぶりが見え見えだった。」

「虎の威を借る狐ぶり」…。たしかにそのとおりだと思う。この現東京都知事も『NOと言える日本』を刊行したころは日本政府や財界の「従米一辺倒」に反発するという一点に本人なりの矜恃があるのだろう、まぁそれが救いといえば救いなのだろうと思えないこともなかったが、ここまであからさまにアメリカの「虎の威を借る狐」と化してしまってはもうどうしようもないと感じる。米国から帰国後の4月27日の定例会見においては、「日本はアメリカとも協力して、 しっかりと守りを、場合によっては安保発動を踏まえて、ものを言ったらいい。」とまで述べていた。そんなことになった場合、沖縄が被ることになる被害のことなどはこの人の念頭には露ほども浮かばないらしい。

この日の会見での石原都知事の口はいつにもましてブレーキ踏まずで、言いたい放題。都民から尖閣諸島(釣魚島)購入のための寄付の申し出が多数あるというので、「 こうした志を受け止めるための口座を開設する」、また「 中国が持っている航空母艦、あんなちゃちなものは世界中の笑いものだ。(略)あいつらがあれを持っている目的は、東南アジアに行って、フィリピンやタイやインドネシアとか、比較的軍事力の弱いところで威嚇になるかもしれないけど、そんなもの通用しませんな。私は、彼らが日本の実効支配をぶっ壊すためにどういう行動取るか分からないが、それに備えるために、国が頼りにならないから東京がイニシアチブとってあそこを領有しようと思っている。 これ間違ってると思っている日本人が居たらお目にかかりたいね」、「これだけ多くの国民が共感してくださるというのは、東日本大震災で国土がああやって荒廃した。私たちが住んでいる国の国土がいかに大切かということを、 潜在意識が呼び起こされて、国民がこの問題に強い関心持ってきたんじゃないか」、「たとえば、自分の家族を犯そうと思って強盗が入ってきたら、素手でもそこの主人は戦わないといけないんじゃないですか。甘んじて、奥さんや娘が強姦されて、ものを盗られて、暴力沙汰に及ぶからと、あえてすべてを譲ったところで済むんですか」、等々。(強調の下線は引用者による。)

凄まじい発言の数々に改めて唖然とさせられる。まず一存で勝手に募った尖閣諸島購入のための寄付金の件だが、7月20日現在集まった金高は13億円を優に超えているという。いったいこれに対する始末をこの都知事は今後どうつけるつもりなのだろう! 中国に対する「あいつらがあれを持っている目的は 」うんぬんの発言だが、一主権国家、その政府に対するこの汚ない口のききかたと、一片の礼儀も備えていない発言内容を見ただけで、とても安心して外交の場に出すことのできる一人前の政治家でもなければ、確固とした信頼を寄せるに相応しい人物でないことも明瞭だろう。東京都が尖閣諸島を購入することを「間違ってると思っている日本人が居たらお目にかかりたいね」という発言については、「間違ってると思っている日本人」はいくらでもいる、と断言できる。現に私はこの人物の行動にも、またこの「お目にかかりたいね」発言にも驚きあきれ、かぎりない不快感をおぼえている。そもそも、日本の全メディアは口を揃えて尖閣諸島を「日本の固有の領土」と言っているようであり、また読売新聞の世論調査によると、65%の人が政府の目指す国有化に賛成しているのだというが、私はこれらの人々が心底尖閣諸島は日本の領土であると思っているのか疑問に感じる。日本の言い分、中国の言い分を聞き、また学者の研究調査などをごく大雑把に眺めた程度では、尖閣諸島は日本の固有の領土である、と言い切れる根拠を見つけ出すのはなかなかに困難のように思えるからである。私は領土問題に深い関心があるわけではないのでさして各種の文献などを調べたり追求したりしているわけではないが、管見の範囲では、中国の領土であるとする主張、たとえば井上清氏の主張のほうに、日本外務省や産経新聞の「尖閣は日本の領土」という主張よりは格段に客観性と説得力があるように感じる。日本のメディアが言う「尖閣諸島は日本の固有の領土」発言や、読売新聞の世論調査結果に対し、「どのような根拠の下での意見?」との疑問をおぼえるのは、そのためである。まして、都の尖閣諸島購入を「間違ってると思っている日本人が居たらお目にかかりたいね」などという石原発言は、デマの拡散を意図したものか、そうでなければ、国民への恫喝以外の何ものでもないだろう。実際私などは強引な姿勢とは裏腹に根拠の曖昧な石原氏その他の尖閣諸島発言に恫喝されているように感じて、うっとうしいことこの上ない。

この他、石原氏は「東日本大震災で国土がああやって荒廃した」 ために、「潜在意識が呼び起こされて、国民がこの問題に強い関心持ってきたんじゃない 」とも述べている。しかし、昨年、震災直後、苦しむ被災者をよそ目に、まるで他人事のように、「天罰だ」と言い放ったのは誰だったっけ? 一昔前だったら、ああいう発言をしたこの人は今ごろこのように偉そうに振る舞ってはいられなかっただろうと思う。

しかし、この会見で目を覆うばかりに非道かつ支離滅裂なのは、何といっても「自分の家族を犯そうと思って強盗が入ってきたら、素手でもそこの主人は戦わないといけないんじゃないですか。 甘んじて、奥さんや娘が強姦されて、ものを盗られて、暴力沙汰に及ぶからと、あえてすべてを譲ったところで済むんですか 」という発言だろう。これは、「強盗」というのは当然日本であり、「奥さんや娘が強姦されて、ものを盗られて、暴力沙汰に及 」ばれるのは、中国である、と理解して初めて意味が通る。もちろん、これで初めて世界の常識にも歴史的事実にも叶うことになる。

この「強盗」うんぬん説は、工藤美代子著「関東大震災「朝鮮人虐殺」の真実」と、内容のデマゴギー性において、好一対ではないだろうか。岩波書店の口ぐせを真似れば (笑)、2人とも「さすがに産経新聞の著者!」とでもいうところだろうか。このように見てくると、中国政府が石原都知事の一連の言動に対する以上に、これを批判もたしなめもしないで黙認し、そればかりか、都知事発言に乗ずるかたちで尖閣諸島の国有化を口にしはじめた日本政府に対してはるかに強い不満ないしは怒りを見せたのは当然のことだったのだろう。中国には、ほとんど「ゴロツキ」並みの精神性しか持たない一地方政治家を相手にまともに怒っても仕方がない、徒労であるとの判断があっただろうから。石原都知事に関連して中国のある記事は次のように述べている。

「 1945年に調印した「無条件降伏文書」および文書中で承認した「カイロ宣言」「ポツダム宣言」などの国際文書について学び直すことを日本の政治家達に提案する。まさか無条件降伏を無効とみなすことにしたわけではあるまい。まさかあの軍国主義の時代にまた戻りたいわけではあるまい。

 もし中国が当時の戦争賠償を改めて請求すれば、日本は優に数十年間苦しむことになる。1945年の民国政府の概算統計によると、日本の中国侵略戦争は少なくとも1兆 8400億ドルの損害を中国にもたらした。これは508億オンスの金に相当する。67年間の利息を加えれば約137兆4300億ドルになると筆者は推定する。これには日本が直接奪い去った金、銀、賠償金は含まれていない。日本が平和友好を重んじている間は、 賠償は請求せずともいい。だが中国の金でー中国の領土を「購入」し、武器・装備を開発して戦争を再び発動する準備をしているのに、賠償を請求しないわけがあるまい。 島を購入する金はあるのに、なぜ賠償する金はないのだ?計算のできる日本国民は考えてみるべきだ。石原の狂犬が中国に咬みつく代償に137兆ドルを支払う価値があるのか?中日間に再び戦争を起こすというのか?

 石原をしっかりとしつけるよう日本政府と日本人民に勧める。石原をしっかりと監視し、好き勝手に人を咬むのを放置しないこと。ましてや故意にけしかけて人を咬ませてはならない。現在の中国人はみな、石原が正真正銘の狂った輩であることを知っている。だが日本側が狂った輩が無闇に咬み続けるのを傍観するだけで、力強い制止の声に耳を傾けないのなら、中日間の感情の冷え込みは避けられない。そしてその結果損害を被るのは、民主党政権と日本の民衆全体なのだ。」(「人民網日本語版」2012年6月18日 」

4月27日の石原都知事発言を見れば、中国側の見解のこのくらいのきびしさは当然のもの、むしろこれはまだ相当に抑制的な態度であり発言内容だろうと思う。

参考になるブログー 「コラム|21世紀の日本と国際社会」
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2012.07.26 Thu l 社会・政治一般 l コメント (2) トラックバック (0) l top

コメント

私がこの「尖閣諸島」に関して、特に問題を感じているのは、左翼陣営、はっきり言えば日本共産党のスタンスです。
日本共産党の立場は例によって「日中間に領土問題は存在しない」というものですが、こういった相手の主張を一方的に無視する、という態度は如何なものでしょうか?
少なくとも、この問題への中国側の対応はもっと「大人」だと思います。
井上清氏の論文は物証に富み、論理的にも明確であり、これに対する有効な反論を私は知りません。
一番問題に感じるのは、この問題に関して日本共産党がまともに(学究的に)突き詰めようとする態度が見えない事です。
「尖閣問題」に大騒ぎはするが、それが何なのかはよく知らないし、歴史にも関心がない。
多くの日本人がそうであるように、日本共産党(とその支持者)も基本的に同じ態度なのです。
科学的社会主義を標榜する日本共産党なのですが、時として「科学的」とは懸け離れて、「宗教的」なのは大変残念だと思います。
ある日本共産党支持者が運営するブログで、例によって「尖閣諸島が日本の固有の領土であることは言うまでもない」との見解がのべられた後、その論拠(?)として「尖閣諸島には江戸時代から鰹節工場があった」という主張があり、思わず仰け反りそうになりました(笑い)
最低限の知識すら持っていないにも拘らず、当たり前のように堂々と「尖閣は日本」と主張してるのです。
このブログは「所謂ネトウヨ」を批判対象としたブログなのですが、これではネトウヨと大差ない、と言われても仕方ないでしょう。
こういった一見「愛国的」態度は右翼、反動勢力を利するだけ、だと思うのですが。
2012.08.02 Thu l やす. URL l 編集
やす様
コメントありがとうございます。

> 私がこの「尖閣諸島」に関して、特に問題を感じているのは、左翼陣営、はっきり言えば日本共産 党のスタンスです。

日本共産党の志位委員長は、毎日新聞のインタビューで、「領土問題には血が騒ぐ」と述べたそうですね。これでは石原都知事あたりをますます増長させ、日中関係を難しくするばかりですよね。志位氏はまた、日共は過去に侵略戦争に反対し闘ってきた歴史を持っているから、領土問題でもこうしてはっきり日本のものだと主張できるのだとも述べたようですが、これはいったいどういう発想、理屈なんでしょう。過去に正しいことをした組織や人物は65年(あるいは100年、200年でも?)経ってからの行いもまた必然的に正しいと言ってるも同然ではないでしょうか。どうも日本共産党はそういう発想、考え方が体質と化してしまっているようにも思います。 中野重治はまさにそういう点をあくまで指摘し、批判しつづけましたが、無駄だったようで残念です。領土の帰属について語りたいのなら、政党の責任として雑誌でも本でも出して、実証的に取り組むのが当然ですよね。井上清氏のように。
2012.08.03 Fri l yokoita. URL l 編集

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