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8月21日にシリアの首都ダマスカス近郊で化学兵器が使用されたか否かについて調査し、結果「使用された」と断定した報告書を9月15日国連に提出した国連調査団は、25日再びシリア入りした。シリア政府と反体制派の双方が、3月にシリア北部で化学兵器が使われたと主張している件についてあらためて調査するための再入国だということである。次の記事によると、

「 今回の調査では、北部のカーンアルアサルで3月に化学兵器が使われたという情報について調べる。国営メディアは、この攻撃は反体制派が仕掛けたもので、25人が死亡、110人が負傷したと伝えた。
一方、反体制派はダマスカス郊外で政府軍が化学兵器を使ったと主張している。」

シリアは未知の国なので地域名のことなども理解しにくいのだが、カーンアルアサルというのはアレッポのことらしい。3月の化学兵器使用疑惑事件については、5月、調査のためにシリア入りした3人の国連調査委員会の1人であるデル・ポンテ氏が「反体制派が化学兵器、特にサリンを使ったという具体的な証言がある」と発言した。しかし直後に、同調査委員会が、「化学兵器を使ったかどうかの決定的な証拠はない」との声明を発表し、まだ調査段階であることを強調するという経緯があった。この事件に関する査察団の再入国はよいとして、今回の調査もまた前回(8.21事件の調査)の場合と同様、「化学兵器が使われたかどうかを確認するにとどめ、政府軍と反体制派のどちらが使ったかについては結論を出さない見通しだ。」ということである。おかしなことで、普通に考えれば反体制側の仕業であると推論または断定されることを恐れているとしか言いようがないだろう。デル・ポンテ氏は今回の調査団のメンバーには参加していないのだろうか? 

8月21日にダマスカス郊外の反体制派の支配地域で発生した事件について、国連調査団の報告書は、「子供たちを含む市民に対し、比較的大規模に、化学兵器が使用された」として、事件は化学兵器による攻撃であり、使われたのは神経ガスのサリンだったと断定した。するとこれに対して、米欧はなぜか、やはりアサド政権の仕業だったではないか、と理解に苦しむ主張を展開した。ケリー国務長官にいたっては、シリア政府は少なくとも11回化学兵器を使用したとも発言している。何の証拠も提示しない状態での発言なのだから、これは口からでまかせ、放言の類にひとしいのだが、強国アメリカはそれで通るのである。化学兵器を使用した時期に関してケリー氏は何も述べていないので、2011年3月から今日までの約2年半の間に11回使用、という意味なのだろう。

国連の報告書は、「ダマスカス郊外グータにサリンを搭載した地対地ミサイルが撃ち込まれたことを示す明確な証拠が採取された。」という。調査は、現場の生存者や救急隊員からの聴き取り、髪や尿、血液、土壌などの試料採取などによるという。オバマ、ケリーだけでなく、サマンサ・パワー国連大使も、「報告書は政権側による使用を示すものだ」と断定。その理由として、「アサド政権はサリンを保有しているが、反体制派が持っているとの証拠はない」「政権側の支配地域に入り込み、そこから反体制派の地域を攻撃するという行動を反体制派が取るとは思えない」と述べている。

国連大使のこの言い分は、オバマ・ケリーがアサド政権に化学兵器の使用責任を押しつけるに際して根拠を一つも口にしなかったのも無理はなかったと思えるような、拙劣な主張である。「反体制派が持っているとの証拠」がなければ、それが即保有していないことの証明になるとでもこの人は言うのだろうか。しかも反体制派は化学兵器を持っているとの証言があちらこちらから続々と出てきている。また「政権側の支配地域に入り込み、そこから反体制派の地域を攻撃するという行動を反体制派が取」ることがありえないのであれば、3月の事件は政権側の支配地域で発生し、被害者も政権側の人間たちだったのだから、あれは政権側が起こした事件ではありえないということになるだろうに、なぜ声高に、アサド政権の仕業である、と叫び続けるのだろう。こういう幼稚かつ支離滅裂な理屈でも世界に通用する、通用させることができると考えているところに米国のそら恐ろしさがあるだろう。これに対してロシアのチュルキン国連大使は、「反体制派の仕業だった可能性は否定できないと反論。反体制派が当時、ただちに被害を報告しなかったのはなぜかと問い掛けた」。

ロシアのチュルキン大使の上の発言をみると、反政府側はどうやら、事件後すぐには外部に対して被害の報告や手続きを何も行なわなかったようだ。彼らは8月21日の明け方1時過ぎに攻撃を受けたと主張している。そしてその直後に(実は映像がアップされたのは事件以前の時間帯だったという不思議な指摘もある。)、被害者の悲惨な映像をインターネットにアップしているのだが、これは一体どういうことだろう。朝日新聞の報道によると、被害者が病院に運ばれてきたのは昼過ぎだったという地域住民の証言もあるようだ。朝日新聞(9月22日)は、インターネット電話でシリア国内の被害者から次の話をきいたという。

「「化学兵器が使われた。何でもいい。とにかく助けてくれ」
 ダマスカス郊外に住むアリ・フーリさん(23)は8月21日午後、無線連絡を受けて、攻撃を受けた東グータ地区ザマルカに向かった。駆けつけると、女性や子どもを含むおびただしい数の人がもがいていた。手分けして建物の上層階に運び、シャツを脱がせて体を水洗いする応急措置をした。簡易ガスマスクをつけていたが、のどや腹部に激痛が走り、息苦しくなって意識を失う。野戦病院のベッドで6日間、生死の境をさまよった。 」

上の被害者は、「8月21日午後、無線連絡を受け」たと述べているが、それならばその動きは事件発生時刻からゆうに半日が経過した時間帯に起きたということになる。ロシアの国連大使の「反体制派が当時、ただちに被害を報告しなかったのはなぜか」との問い掛けには事件の真相を解き明かす鍵があるに違いない。3月の事件について国連調査団がどのような調査をしてどのような判断を示すのか注目である。
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2013.09.27 Fri l 社会・政治一般 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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