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『おかしな娘 古在直枝遺稿詩集』(1967年)より詩2編のご紹介。


 「芭蕉クン」

「私は 芭蕉クンのことを
 かんがえると
 涙がでる

 私は 芭蕉クンのことを
 かんがえると も少し
 生きてても
 いいような気がする

 私は 芭蕉クンのことを
 かんがえると ポカツポカツと
 する

 芭蕉クンは 一人で
 行脚したので ので

 そのことを考えると……
 マネツコマンザイ
 マメヤノコゾウ
 ウスツパカのハゲアタマ

 といわれても なんでもかんでも
 一人行脚して
 『静けさや いわに しみいる せみの声』
 といつてみたい 」
 


 「コイケサン」

「コイケサン
 アノネ
 コナイダ
 ウチニ アルトモダチガ タズネテキタノ

 スナオナハナシ

 オタクニ クルノニ ミチガ
 ワカラナク ナツタモノデ
 アルヒトニ キイタラネ
 『ああ あの エリザべス テーラーみたいな人の
 いるところですね』
 トイイマシタヨ

 トコロデ
 ワタシトアネガ 一瞬 ジブンノコトジヤナイカ
 トオモツタノハ
 ソレハマア ユルセルトシテモ(ナゼトモシレズ)
 五十ヲ スギタ ハハマデガ
 ウスラアカク ナツタトハ
 ナンダカ ナンダカ ムナシイオハナシ 」


詩集は、海で泳いでいて太平洋の潮流のために沖に流され、24歳にして亡くなった古在直枝さんがノートに書き残していた詩を父上が編まれたもの。(中野重治「詩集『おかしな娘』の件」『文藝』1969年2月号初出。「中野重治全集 第24巻」から引用)。読んでいると、「ポカツポカツとする」。おもしろくて、自由を感じさせてくれて、ふと慰められもする。



--追加--

 「アンポトウソウゴ」

「私は 誰も非難しない
 私は 誰も疑わない

 〈事実〉が終わつた後
 非難するヤツには
 〈事実〉が終わつた後
 疑うヤツには
 〈その事実〉の中で
 すでに――
 あなたは
 動く資格を持つてはいなかつた

 どんな形でも
 どんな皮肉でも
 〈そのときの事実〉に参加したものには
 これから動くこと
 あなたが 場面を動かすこと
 それだけのみが のこされている

 人間に疑問符を持つケンリは
 ない
 自分自身にさえ
 それはない

 …………
 …………

 場面を 動かせ
 場面を 動かせ
 注意深く
 思慮深く
 計算高く
 効果的に
 ちょうど 上等のシバイの
 ように
 (シェイクスピアのシバイのように)

 …………
 …………
 ディ・エンドは
 悲しくても
 嬉しくても
 楽しくても
 憂うつであつても
 〈上等〉でありさえ
 すれば!!

 腹のなかでは
 満面の笑顔 」


(1月12日 詩「アンポトウソウゴ」を追加しています。直枝さんの紹介文も修正しました。)
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2010.01.11 Mon l 文芸・読書 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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