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E氏とW氏の殺害後、日付が替わった翌22日の2時ころに関根氏、Y氏、風間さんの三人は遺体を車に乗せて片品のY宅に到着した。Y宅に向かうにあたっては、Y氏はKさん殺害時と同様、またも関根氏に脅迫されてやむをえず協力したのだと次のように述べている。

 Y氏は今回も関根氏に脅迫され、やむなく事件に協力したというのだが…

「関根の指示でカリーナバンにWの死体を積んだまま三人でEの家に戻ったが、その途中で関根に「お前は共犯者だ、死体処理を手伝え。手伝わなかったらカメラマンの女も生かしやしねえ。」などと言って脅された。/「カメラマンの女」とは当時自分が付き合っていたN・M子のことである。E方に入ると、Eが仰向けで大の宇になって倒れて死んでいた。三人でEの死体もカリーナバンの荷台に運び込んで一旦万吉犬舎に立ち寄り、関根が「博子の足があるから、お前が先頭を走って山に行け。」と言うので、自分が万吉犬舎に置かれていたクレフを運転して先導し、風間が二人の死体を積み込んだカリーナバンを運転し、関根がその助手席に乗り、片品村の自宅に向かった。」(『一審判決文』p104)

Y氏が述べるこの状況も実は大変おかしい。「「手伝わなかったらカメラマンの女も生かしやしねえ。」などと言って脅された」というが、関根氏はKさんの時もそうだったが、脅すについてこの時ピストルやナイフを手にしているわけではなく、手ぶらのようである。手ぶらでこのように脅されて、もう関根氏に従う以外に助かる方途はないと思いこむほどの恐怖を感じるだろうか? 関根氏は暴力団員でもなければ怖い仲間もいない。そのことにはもうY氏も気づかなかったはずはないと思えるし、Y氏は風間さんの場合と違って関根氏との間に面倒な縁故関係など何もないのだ。一目散に逃げればそれで済むはずではないか。今警察に駆け込めば、被害者の遺体ごと現行犯で逮捕して貰えるのだから、願ってもないチャンスである。まして、片品に向かう際、Y氏は風間さんのクレフに一人で乗っているのだ。こうして見ていくと、「脅された」というY氏の言い分にはまったく説得力がないように思える。

風間さんの弁護人は、片品に向かうにあたり、Y氏が一人でクレフを運転し、風間さんが遺体を乗せたカリーナバンを運転したことについて下記のように論述しているが、この論旨は大変説得的であると思うので、引用しておく。

「Yは、クレフに乗り込んだところ、被告人関根がクレフの助手席に乗り込んできて「お前は共犯者なんだ」などと言い、さらにN・M子について危害を加える等の脅迫をなしている旨、供述している(甲第486、593号証)。/(略)しかしながら、被告人関根が、このようにYの裏切りを警戒しているのであれば、クレフにYを単独で乗車させて先行させる理由は、全くないと考えられる。/検察官が述べるように、E・W事件が被告人両名の共謀にかかるものであって、被告人両名が運命共同体であり、一方、Yは動機もない小心者の部外者であるとするならば、このようなYの裏切りを警戒するのが当然であり、裏切りを防止するためにはYを単独で行動させずに、脅迫者である被告人関根がYの面前にいることが最も効果的なのであるから、被告人関根がクレフまたはカリーナバンに、Yと乗車するという極めて容易な手段があるにもかかわらず、あえてYの単独の運転を認めるという危険を犯すのは、極めて不自然である。/検察官の主張とは逆に、Yが単独でクレフを運転して片品に向かい、被告人関根が被告人風間の運転するカリーナバンに乗車したということは、被告人関根にとって、Yの裏切りは全く心配する必要はなく、むしろ被告人風間の行動が不安だったからにほかならないと考えられ、そのように考える方が、Yの供述の不自然性に比べてはるかに合理的である。/Yは関越自動車道沼田インターチェンジから一般道に行くべきところ、同所において検問がなされていたのを発見したことから、次の月夜野インターチェンジに向かった旨供述している(甲第486号証)。/Yはこれについて、例のごとく被告人関根から脅されていたからである旨弁解するが、(略)/Yにとって検問がなされることを発見したということは、千載一遇のチャンスであるはずであって、検問がなされていることを知らない被告人両名を、E・Wの遺体という最も端的な証拠付きで警察につき出す絶好の機会だったはずなのである。(『一審弁論要旨)p457~460)

 Eさんの所持品ロレックスの金時計

Y氏は、遺体に解体にとりかかる前にEさんの遺品のなかからロレックスの時計を手に取り、関根氏の了解のもと、これを貰い受けている。Y氏自身は関根氏に保管するように依頼されたのだと述べているが、関根氏のほうににそのような依頼をする合理的理由はちょっと考えられないことや、風間さん、Y氏の元妻であるS子さんの証言からみても,この供述は虚偽ではないかと思われる。風間さんの証言は次のとおりである。

「被告人関根とYが居間の被告人風間のそばに来て座り込み、被告人関根はEのバックを逆さにして中身をザァーと出した。/その中にダイヤのちりばめられた時計があり、Yが「これ、俺がもらっていいかな」と言い、被告人関根は「いいけど売るとか質屋に入れてながしちゃうとかするな」と言った。」(『一審弁論要旨』p102)

ロレックスについて、Y氏は取調べ当初は「捨ててしまって持っていない」とすでに処分済みであると述べていた。しかし、Y氏の供述によりE・W氏の骨片などが投棄した塗川から発見されて約20日も経た2月22日からようやくロレックスを保管している旨の供述をはじめている(甲第586号証)。ロレックスを保管していた理由について、Y氏は「切り札としても使えると思った。これを持っていれば被告人関根もYに手出しできなくなり、何かのときにはK子かS子にロレックスを持って警察に出頭させれば、被告人関根の悪行が証明できると思った。」(甲第487号証)と述べている。しかし、元妻であるS子さんの供述を聞くと、Y氏がロレックスを事件の切り札、すなわち、「被告人関根の悪行の証明」にしようと考えていたとは、到底思えないのである。一審弁論要旨から引用する。

「S子がロレックスのことを初めて知ったのは、平成5年10月の連休中に、片品村のY方を訪問した際であったが、Yが、ピースの空き缶に保管していたロレックスを取り出してきて、同女に見せ、「本物だぞ、アフリカの社長から貰ったんだ」と言い、同女からまずい品物ではないかと尋ねられたのに対し、Yは「大丈夫だよ、でもこれ売れないな、番号を控えてあるかもしれないし」などと答えているのである。/これによれば、Yは自らこれを取り出して、S子にロレックスを見せており、会話の調子からロレックスを見せびらかし、自慢するという様子がうかがえ、番号を控えられている可能性があるから売れないということは、可能ならば換金したいという希望があることを意味していることは、明らかである。」(『一審弁論要旨』p463)

その後、Y氏はS子さんにロレックスを預け、保管して貰っていたが、愛犬家連続殺人事件のキーマンとして警察の追及の気配が身辺に迫ると、Y氏は当時愛人だったK子さんとともに遁走する。その旨を元妻のS子さんに告げた際、ロレックスについて二人の間に次のような会話がなされている。再び一審弁論要旨からの引用である。

「平成6年10月18日午前4時ころ、Yが同女(注:S子)方を訪ね、警察の取調べから逃亡する旨述べたのに対し、同女がロレックスを取り出して来、Yに「これも何か事件に関係ある物じゃないの?返すから」と言ったところ、Yは「捨ててくれよ」と言い、これに対し同女は、気持ち悪かったので「自分で捨ててよ」と言って、Yにロレックスを返したという。/これによれば、ロレックスを取り戻しにS子方を訪ねたというYの供述は、全く虚偽であって、同女が、保管してあるロレックスに気付いて、Yにその返還を持ちかけたのにすぎないし、何よりも「捨ててくれよ」「自分で捨ててよ」などという会話が「Yの言う切り札にしようと思った、警察の信用を得ようと思ったなどという保管理由と完全に矛盾するものであることは明らかである。Yの言うような極めて重要な意味がロレックスの保管にあるとしたならば、捨てるなどという言葉が出ようはずはないからである。/ロレックス保管の理由として、Yは、「警察からの事情聴取を受けた場合、Yの言い分を警察に信じてもらえる有力な証拠になると思った」旨述べ、特にK事件の場合と異なり、E・W事件での遺骨等の投棄場所は、塗川であったから、証拠物が発見されない可能性があり、そうなった場合はロレックスを提出しようと考えていたが、塗川から証拠物が発見されたためロレックスを保管している必要がなくなり、警察に提出したものである旨述べる(甲第487号証)。/しかしながら、Yの述べる右理由は不合理極まるものである。/まず、事情聴取を受けた際にYの言い分を警察に信用して貰うため、というのであれば、まさに本格的な取調べが行われようとする矢先に、前述の如く(管理人注:元妻に対して)「捨ててくれ」などという言葉が、Yの口から出るはずはないのである。」(『一審弁論要旨』p464~466)

Y氏によるこのロレックス保管に関する裁判所の判断であるが、以下のとおりである。

「YはE・W事件においてEが身に着けていた高価な金時計(ロレックス)を関根から受け取り、それを処分するように指示された後も密かに保管し続けていたのであるが、その所在について妻であるK子や前妻のS子に対しては逃走中に海に投げ捨てたなどと嘘をついていたことを自認しており(甲487等参照)、右時計を所持し続けていたのはむしろ換金目的からではないかとの疑いが相当強い」(『一審判決文』p181~182)

裁判所は、Y氏が換金目的で時計を自分のものにした疑いが濃厚であることを認めながら、誰もがいだくであろう当然の疑念を述べている上述の弁護人の主張に何も答えようとせず、なぜか次のような結論を導きだすのである。

「Yの供述の主要な部分が真実であることについては被告人両名の供述をも含む関係証拠によって十分裏付けられているのであるから、結局のところ、Yの供述内容の一部に右のような虚言あるいは誇張と思われる供述が存在することは、その供述全体の基本的信用性を揺るがすようなものでないということができるのである。」(『一審判決文』p183)

「Yの供述の主要な部分が真実であること」を私はこれまでのところまだ一度も知らされていないように思うのだが、裁判官はここで具体的に明確にその「真実である主要な部分」を書き記すべきであったろう。Y氏がEさんのロレックスの時計を欲して実際に自分のものにしたのは、これが高価な品だったからであることは裁判所も上記のとおり認めている。それならば、Y氏によるこのロレックスの取り扱い状況が、自分や家族の身を守るためにやむなく犯罪に関与させられた人間のとる行動であるかどうか明確な判断を示すべきであったろう。
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2010.01.21 Thu l 埼玉愛犬家連続殺人事件 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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