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子どもの世界だけではない。大人社会にも蔓延しているといわれて久しいイジメ。大人の世界で起きたイジメということですぐに思い浮かぶことが私にもいくつかあるが、筆頭は2004年暮れ、吉本興業所属の有名タレントが、同じく吉本興業の社員である女性の態度が悪いとかの理由でこの女性をテレビ局の控え室に連れ込んで殴ったり唾を吐きかけたりして怪我をさせたという事件である。

この女性は別のタレントのマネージャーであり、その日は担当するタレント(勝谷誠彦氏。管見の範囲ではこの人は自分のマネージャーがうけた暴行についてのコメントは一切しなかった。一般論としてその女性がよいマネージャーであることを週刊誌の連載記事に書きはしたようだが。)に付き添って大阪の朝日放送に来ていて、このような災厄にあったのだというが、何でも、この人は10数年前に吉本の二人の上司と一緒にこの有名タレントと食事か何かで席を共にしたことがあったそうだ。その時以来、久しぶりに再会したので挨拶しようと考え、局内のソファに一人で坐っていたタレントに「以前上司のAやBと一緒にあなたにお会いしたことがありました。」というようなことを話しかけたところ、相手はもうそれで怒りだしたのだという。その後この暴行の件が世間に知れ渡って、そのタレントが記者会見をひらき、そこで話したところによると、女性が上司の名前を「A」とか「B」というように呼び捨てにしたことが癇に触ったのだということだった。しかしこれは誰でもすぐに理解できることだと思うが、芸能プロダクションにとってタレントは華、社員はあくまで裏方だというこの人の意識が社員である上司の名を呼び捨てにさせたのであって、それを察知しないタレントの感覚のほうがどうかしていると思うが、それについて、このタレントは、本心かどうかはともかく、100%自分が悪いと話してはいた。

私はこの有名タレントの涙ながらの謝罪会見を、朝の後片付けをしながらテレビ朝日の「スーパーモーニング」で見ていたが、大変不愉快であった。挨拶をしてそのしかたが気に入らないからの理由で、密室に連れ込まれ、殴られたのではたまったものではない。女性の話によると、このタレントは激怒した状態で部屋に連れ込んだ後、ドアに内から鍵をかけたのだという。女性の恐怖心は察するにあまりある。タレントは「殴っただけではなく、唾をかけたということですが…」という記者会見での質問に対しても、バツが悪そうに「偶然、かかったかも知れません。」というような言い方で、唾をかけたことをも決して否定はしていなかった。暴行され、怪我をした女性は、その後自分で救急車を呼んで病院に行ったのだという。

驚かされたのは、この会見をビデオで見終わった後の「スーパーモーニング」のコメンテーター達の発言であった。男女の司会者に加え、大谷昭宏、橋下徹の二氏、もう一人は大学の先生だという女性(名前は失念)であったが、全員揃ってタレントを庇い、殴られたこの女性を非難したのである。「Sさん(タレントのこと)は正義感が強いから」とか「上司の名前の呼び捨ては、タレントを含めてみんな同じ吉本所属には違いないのだからやはり問題があるのではないか。」、果ては「吉本興業の社員教育に問題があるのではないか」とか、その他、一々はもう覚えていない何だかわけのわからない理由を並べ立てていた。最も強力、かつ場をリードしていたのは、やはり現大阪府知事の橋下徹氏で、そのタレントと共演している他局の番組においていかに自分たち共演者が司会役であるそのタレントの気分を損ねないよう気を遣っているかについて得々と説明していたっけ。(この番組には、たしか芸能レポーターも二人出ていた。この人たちのほうがコメンテーターよりも公平なコメントを発していたような記憶がある。といっても、一方的にタレントの肩をもったわけではないというにすぎないが。)

私はあまりのことにしばし呆然としてしまったが、数分後これではならじと新聞でテレビ朝日の電話番号を確認し、電話をかけた。スタッフルームにつないでほしいと言うと、分かりました。お待ちください、といって、すぐに電話を回してもらえた。「もしもし」と出てきたのは、ハキハキした声から察するに30歳前とおぼしき若い男性であったが、「あの女性が非難されるいわれは一つもないと思うんですが?」というと、間髪を入れずに「でしょう!?」という返事が返ってきた。「いやァ、僕も、今、一体これはどうなってるのかと考えこんでたところなんですよ」というような、思いがけなくというべきか、こちらにとっては大変気持ちのいい応答だったので、内心ホッとしながら「それが、そう考えるのが普通だと思います。」と言うと、「そうですよねぇ。――いや、よかったです。」というような会話がなされた。その後、「これは、ちゃんと言っときます。」「ぜひよろしくお願いします。最後までちゃんと見ていますから。」という経過で電話を終えたのだった。そして実際、番組終了間際に、もう一度この話題が取り上げられた。あの青年はディレクターなのか、どんな役割をになっている人なのかは分からないが、約束どおりちゃんとやってくれたのである。他にも同じ趣旨の電話がかかったのかもしれない(そう思いたい)が、それでも橋下氏はやはり橋下氏、何の躊躇もなく、タレントを怒らせるマネージャーのほうが悪いという一点張りのことを述べてシャアシャアとしていた。大谷氏は、非常に気まずそうな笑い顔で、口の中でもぐもぐと何かを言っていたが、でもそうして反論の素振りを見せているだけ、実は何も言ってはいなかったと私の目には見えたのだが、これは錯覚だったろうか? 女の先生は自分の発言を悔いているような沈んだ感じにも受けとめられたが、本当のところは分からない。

その後、目にはいった範囲でいうと、この事件でタレントのほうを明確に厳しく批判したのは、コラムニストの小田嶋隆氏と日刊スポーツの女性記者の二人だけだった(と思う)。小田嶋氏はその直後『イン ヒズ オウン サイト』という新刊を出版されたので、私はこの件に関する発言(読売系週刊誌の連載記事や小田嶋氏の個人サイトにおける)に敬意を表する意味でこの本を購入し(とてもおもしろかった)、日刊スポーツの記者の方には、記事に賛同するメールを送信した。それから『サンデー毎日』も女性に同情的な記事を掲載したと記憶するが、その誌面に載っていた被害者女性のシルエットを見たらとても華奢な体型の人であった。

それにしても、相手が著名だったり力を持っていたり、自分たちの利害と直結するとなると、ごく当たり前の道理も蹴飛ばされる。一方的に殴られ、蹴られ、怪我させられても、同情もしてもらえず、相手を怒らせたという理由で非難攻撃に晒されることがありえることを思い知らされた。これほど露骨なイジメはさすがにこれまで見たことはなく、これはテレビが率先してイジメにお墨付きを与えているのだから、凄まじい世の中になったと痛感させられた出来事であった。他のテレビ局も似たりよったりの報道内容だったようである。その頃すでにテレビを見ることがめっきり少なくなってはいたが、この出来事を契機にいよいよその傾向がつよまるようになってしまった。
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2010.02.07 Sun l 橋下徹 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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